永平寺の山門で神様と叫んだ人がいた
懐かしい思い出話しをひとつ。
福井県の深山幽谷の地に伽藍を構える曹洞宗大本山永平寺。
私も8年前、永平寺で修行させて頂きました。
修行に入る覚悟を決める永平寺山門での出来事。
極寒の早朝、足袋に草鞋を履き衣を上げ半袖短パンのような服装と必要最低限の生活用品を背負い修行の覚悟を問う為、永平寺の山門に同じ日に修行を始める8人の修行仲間と立っていました。
何時間経ったのか、全身が寒さで凍え心が折れかけそうな時、客行和尚さん(5年目の古参和尚)が現れ修行への覚悟を問われます。
古「なにしにきた」
新「道元禅師のお膝元、報恩修行に参りました」
古「報恩とはなんだ」
新「今まで育てていただいた家族や私を支えてくださった方々の御恩に報いるよう励む修行です」
と各々が自らが修行する動機を大声で答えていたときのことです。
最後の修行僧が 突然
「神様の御恩に報いるよう励みます!?!?」
と大声で叫びました。
どれだけ寒くても緊張していても仏門への入門の意思を問われている場で神様という文言が違うことだけは私にも感じました。
すかさず古参和尚さんが問います。
古「神様!?」
新「はい、神様です」
古「神様?」
新「はい、神様です」
古「ここは永平寺の山門だぞ?」
新「はい。神様です?」
古「ここは大本山永平寺だぞー!!!」
新「あっ!?!?仏様でしたー!!!」
その後、彼はしばらく神様というあだ名で修行を送ったことは言うまでもありません。
01月24日
院代:菊池 雄大
院代:菊池 雄大